抽象的な思考の弊害
われわれは抽象的な思考レベルで、取り組むべき事柄について考えている内はほとんど行動に起こせません。
例えば、
・営業パーソンが新規開拓に力を入れよう
・製造担当者が業務改善を行おう
・若手社員が、もっと本気になって仕事にあたろう
などと抽象的なレベルで思考を止めていては、日々しなければならないことはベルトコンベアーで製品の組立作業をしているようにドンドン出てきます。
結果、目の前の為すべき・処理すべき事を行うことに終始して、気づけば1週間何も手を付けられなかった。1か月間何も行動できていない。という状況に陥ります。
悩みも抽象的に捉えている内は解決しない
人間は誰しも悩みが発生するでしょう。
仕事の面でいえば、
・人事評価におけるMBOの目標がクリアできそうにない
・上司との人間関係がうまくいかない
・部下のモチベーションが低く、課題が前に進まない
さまざまな悩みがあることでしょう。
こうした悩みをいつまでも抱え続けて、かつ、新たな悩みを増やして悩みに取り囲まれているような人も、やはり思考が抽象的なまま止まっています。
時間を決めて具体的に考える習慣
逆に、悩みをどんどん解決したり、良い方向に向かわせることができる人は、時間を決めて悩みを掘り下げて考えます。
例えば、「上司との人間関係がうまくいかない」ということであれば、まずどんな状態をそもそも望んでいるのかを考える。
・自分が提案したことを否定せずにまずは受け入れてくれ、建設的な対話ができる
・自分の判断を尊重してもらい、さまざまな仕事を任せてもらえる
・互いに相手の状況を慮り、必要に応じて支援・フォローができている
といったような形で言語化します。
そして、現状との対比をしながら、自分が最も望むことを考え、なぜ、望ましい状態ができていないのか?原因を探ります。
本質的であろう原因に対して、今、自分ができる・変えられることに意識の焦点を当て、具体的に何を?どんな方法で?頻度は?誰に協力してもらうか?5W3Hの切り口で行動内容をまとめる。
このように時間を決めて掘り下げて考え、時間が来た時の考えが最善と思い、取り組んでいく。
こうした特徴があるように感じます。
成果は行動の影です。また、行動をとにかく思いつく範囲で行っていくことにより、机の上では見えなかった・気づかなかったことも浮かび上がり、より効果的な行動内容が見出せます。
われわれリーダーの役割として、部下が悩みに囚われて時間的なロス、モチベーション・ロスを生じさせないために、悩みを具体的に考える習慣をつけさせることを意識した方が良いと感じています。
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