業種・職種を問わず「できる人」の共通項
リーダーの役割の大きなものとして人材育成があります。しばらくは、このテーマで記していきます。
ビジネスパーソンとして、継続的に成果を上げ続ける人と残念ながらパフォーマンスがいつまでも向上しない人の違いに、一つは時間感覚が挙げられます。
業種・職種を問わず成果を上げ続ける人は、シンプルにいえば初動が速いのが共通しています。
上司・顧客からのミッションが与えられれば、一方的に指示・リクエストを聞くだけでなく、抽象的・曖昧な内容を具体化する質問を行い、スコープ(目標範囲)を明確にする。
そして、即座に目標達成・課題解決を行うためのTO DOを洗い出し、スケジューリングを行います。その後、客観的・俯瞰的に実施内容を眺めてリスクや留意点を見出します。
同僚・部下との会議・1on1面談などで、自身が役割分担の中で担当することになったこと。個人として取り組むべき事項が顕在化した際にも、同様の手順で素早く検討~スケジューリングします。
特徴としては、納期設定が前倒しでなされており、実行スケジュールが今日から、明日からといった形で最初の一歩が速く設定されていることにあります。
結果、想定外のことが生じても動き出しが速いため、少々予定変更・時間を取られる事態となっても、品質高く納期通りの仕事が果たせる確率が高まります。
「残念な人」は悪循環にはまり込む
残念ながら仕事のパフォーマンスが向上しない人は真逆の状況ですね。
課せられたミッションを受身のスタンスで一方的に聞くだけで終わります。そして、掘り下げてTO DOや計画を考えることを先送りします。
結果、いざ掘り下げて考えようとした際には記憶が曖昧になっており、めざすアウトプットが漏れたり、レベルが低いことになります。
さらにいえば、受身で話を聞くだけであったため、いざ取り組む際に疑問点が多く生じてきます。
時間が経過していれば上司や顧客には確認をしにくくなります。「こうだろう」という推測で動くことになり、上司や顧客の想いとは違うものを提示することにつながります。
当然、最初の一歩も遅くなります。納期まで時間の猶予がありません。
そうした中、仕事は自分の都合通り進みません。やはり想定外の事態が生じます。
一緒に仕事をしていた同僚が体調不良で、自身が肩代わりをしなければならないことも生じます。
自分自身も病気で仕事にならない場面も生じます。
さらにいえば、実施事項の工数見積もりが甘く、かなりの時間を費やすことになったりもします。
こうした想定外が重なると、仕事の品質を犠牲にせざるを得なくなります。上司・顧客の求めるものとは違うとはわかっていながらも提出しなければならない事態に陥ります。
もっといえば納期に間に合わなくなり信用を落とします。
このような状況が続くと新しいミッションはどんどん先送りされ、仕事に追われる状況になり、パフォーマンスがさらに下がるという悪循環に陥ります。
そして、モチベーションも比例して落ちていき、最悪はメンタル不全という事態になります。
IBM創業者の言葉
IBMの実質的な創業者であるトーマス・ワトソン・ジュニアが以下のような言葉を遺しています。
「成功するのは簡単だ。失敗を2倍のスピードで行うだけだ。成功は失敗の向こう側にあるわけだから。」
表現を変えると、初動をとにかく速くし、PDCAを高速で回転させていくことが成功の秘訣であると述べています。
VUCAワールドの時代、もちろんさまざまな要素はあるものの、個人も組織も成果を上げていくために不可欠な要素が、スピード感・時間に対する考え方にあり競争力を左右します。
社員・部下が激しく厳しい時代に、給料を上げ続けられるよう、この点を指導していきたいと思っています。
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